生きていこう。それがいいんだ。
「僕ごと・・黒田さんの口を封じるつもりですか?」
「我々警察にとっても、あの事件が再びクローズアップされるのは好ましくありません。
揉み消しの事実が発覚したら、
全国の警察の信頼を地に落とす事になる。
ただでさえ、少し前の杉内検事長の一件で検察への非難が続いたのですから、
これ以上、正義が揺らいでは、
我々が憎む犯罪者が喜ぶだけですよ?」
「・・・・・・・・・・・・。」
「星野刑事・・
人生の選択は常に紙一重です。
その女が死のうとしていたのなら、
こちらも好都合だったのに。
もし君がその女の飛び降りを止めていなかったら、私は君の行動を賞賛し、
県警へと昇進させても良かったのに。
あろうことか自殺を止めるとは・・
理解に苦しみます。」
「・・・・・・・・。」
「今ここで起きている出来事は全て“白い力”ということをお忘れなく。
理由はなんとでも後付けできます。
被疑者が刑事へ襲いかかった。
だからやむなく発砲したら・・
そうですね。私の腕が悪く、流れ弾が君にも当たったという事にしておきましょう。」
「・・・・・・・・・・・・。」