生きていこう。それがいいんだ。
――――――
今セイズ署に戻ると県警の人達と鉢合わせする可能性があるので、
しばらく現場近くの聞き込みも兼ねて、
豊川さんと一緒に辺りを見て回る。
「星野君はどう思いましたか?」
「何か・・隠してそうな印象を受けました。」
「・・・・・・・。」
「今回は通り魔的な犯行では無く、
犯人の風貌を聞く限り、立石さんを狙った計画的な犯行のはずです。」
「となると2通りの動機が考えられます。」
「・・・・・・・。」
「一つは立石大臣に恨みを持つ者。ご子息を殺して彼にダメージを与える目的ですね。」
「もう一つは・・カズマさん本人に恨みを持つ者・・。」
「現段階では断定が出来ないので、
少し様子を見ましょう。」
「様子を見る・・ですか?」
「県警の皆さんと、仲間の皆が集めてくれる情報を基に犯人像を割り出します。
立石大臣へ政治的テロを犯す可能性のある人間。
カズマ氏が勤める会社周りの人間。
過去から現在に至る彼の交友関係。
犯人の外見的特徴が掴めないので、
容疑者は多岐に渡ってきます。」