冷酷社長に甘さ優しさ糖分を。【完】

しかし社長が素直に応じる事もなく。


「今晩、俺と来い」

「…はぁ」


一切こちらの要求は受け入れず
そして主語もない命令に呆れてしまうが
今晩なにがあるかは
だいたいの想像は出来ていた。

昨日、言われた通りに荷物をまとめて実家を出てきているから
たぶん今日から住む部屋の案内なのだろう。

まだどこに住むのか
何1つ伝えられていない事にモヤモヤしているが。



21:00---


仕事を切り上げた社長の後をついていくと
リーベンビルズの建物を出てセレブ街を通った先
レジデンスの奥に位置する豪邸に連れて行かれた。


「まさかココなんじゃ…」


立派な門を目の前に
『絶対ありえない』と足が止まっていると…


「何してる。
 早く入れ」


お構いなしに待ってくれない社長。

イヤな予感が頭を過るが
ひとまず言う事を聞いて中に入る事に。

外から見ても迫力があった豪邸だが
中はまるでマンガに出てくる城のよう。

確かに金持ちが集まる町。
大富豪がこんな立派な家に住むのは当たり前かもしれないが
庶民のイトカには到底ついていけない。



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