冷酷社長に甘さ優しさ糖分を。【完】

「あのぉ、社長…
 私、こんな高そうなところの家賃
 払うのは無理なんですけど…」


体で払えって言うんじゃなかろうかと
心配しながら恐る恐る聞いてみた。


「家賃は必要ない。
 ココは俺の家だからな」

「・・・え?」

「”雑務を住み込みで働け”
 そう言っただろ。
 この家の掃除もやってもらう。
 今日はもう仕事終わりだ。
 どこか適当な部屋を使え」


顔色1つ変えず
淡々と必要最低限な事だけ伝えると
ネクタイを外しながら
豪華な階段を上がっていってしまった。


残されたイトカは
その場でフリーズ。

彼の言葉を思い返し
今自分がココにいる状況と重ねて
ようやく意味を理解した。


「ど、同居!?」


思った以上の声のボリュームに
城内…いや、室内は
コンサートホールの如く木霊する。


「響くから騒ぐな。
 それに同居じゃない。
 お前は居候だ」


反響して返ってくる社長の声。

同居でも居候でも
”一緒に住む”のに変わりはない。

そんな想像はしていなかったから
この現実を受け止めきれないイトカ。


「ど、どうしよ…」


大変な事になったと
今更、怖気づいてしまった―――
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