新人ちゃんとリーダーさん
通話を切って、携帯を横に放る。
ぽよっとワンバウンドしてベッドに沈んだそれを横目で見て、ため息を吐く。
父が言い出すわけはないけれど、仮にさっきまでの会話の相手が祖父ではなく父だったなら、私は断固としてノーを吐き出し続けれた。でも、実際の通話相手は祖父だ。祖父が、良かれと思って言っているのは分かってる。だからこそ、無下には出来なかった。
はぁ。
またため息を吐いて、視線をハリーさんのお家へと向けた。ハリーさんお気に入りの毛布が、うっすらと上下に動いている。時刻はもう少しで二十二時。彼は、まだあと一時間は寝ているだろう。
「……聞いて、ハリーさん」
けれど、私は待てなかった。
もふもふのそれをぺらりと捲り、その中で丸まっている彼へと声をかけた。