偽婚約者の恋心~恋人のフリが本気で溺愛されています~
亜紀は、前の支店で、1番仲の良かった同期だ。

私がベリーヒルズに異動になってから、亜紀は、一度、ベリーヒルズで飲んでみたいと言っていたので、愚痴を聞かせるのは申し訳ないと思いながらも、誘ってみた。

ベリーヒルズは、老若男女向けに、幅広い店舗展開で、私達のような一般市民にも気兼ねなく入れるお店もちゃんとある。

おしゃれでリーズナブルな人気のワインバーがあるので、昨晩はそこで飲んだ。

平日の18時過ぎだったが、すでにテーブル席は埋まっており、私達二人はカウンター席に案内された。

私は亜紀に、藤原さんの話をした。
これまでの経緯と、課長に相談してもダメだったことなどを事細かに話した。

亜紀は、

「それ、もう完全にストーカーじゃん!」

「警察に相談した方がいいって!」

「何それ?ダメ課長じゃん!」

と、私の味方をしてくれた。

「亜紀~」

私は亜紀に甘える。

「よし、嫌なことは飲んで忘れよう!付き合うよ!」

理解者がいてくれる安堵感と、手頃な値段なので、ついつい飲む量が増えた。
< 4 / 107 >

この作品をシェア

pagetop