嘘吐きな王子様は苦くて甘い
それから何日か経って、彼女達の言ってたことは本当になった。
皆、私を見ながらヒソヒソと話してるような気がして。
遂にはクラスの派手めな女子に「大倉さん可哀想」って言われてしまった。
「は?何言ってんの?」
私が何か言うより先に、菫ちゃんと風夏ちゃんが庇うように私の前に立つ。
「遠藤さん怖いって!ウチら大倉さんの味方だから!」
「石原君に酷い騙され方したんでしょ?ホント酷いよねーイケメンってやっぱ性格悪いんだぁ」
「ひまりは騙されてなんかないから!何適当なこと言ってんの?」
「風夏が庇うのも分かるけどさぁ、皆言ってるよ?石原君はただのゲームで大倉さんに告ったって」
「そうそう、だから大倉さん可哀想だなって思ってるんじゃん」
私を心配してくれてるような言動だけど、表情を見れば何となく分かる。
ーーそうじゃなかったら、大倉さんが石原君と付き合えるわけない
この子達は前にも、私と旭君のことを色々聞いてきた。目立つ旭君と平凡な私が付き合ってることに納得がいってなかったんだ。
だから噂を聞いて、彼女達の中では凄く合点がいったんだと思う。
「それ全部デタラメだから。石原の方がひまにベタ惚れなんだから」
「えー、でも」
「ありがとう、心配してくれて」
本音を隠して、精いっぱい笑う。
「でも私は大丈夫だから。怖いね、噂って。事実じゃなくても関係なく広まっちゃう」
「ひま…」
「ひまり…」
「大倉さん、ウチら大倉さんの味方だから!」
「うん、ありがとう」
「なにあれ」
「ひまりの言うこと全然聞く気ないじゃん!私がもう一回」
「大丈夫だから、ありがと」
「でも…」
「あの子ら、ホントに言いふらしたんだね」
「信じらんない!ここまでする!?」
この前のトイレでの出来事を、私は二人に話した。二人とも自分のことみたいに怒ってくれて、それだけで凄く心強くて。
内心怖かったけど気にしないようにしてたら、こんなことになってしまった。
「石原も石原だよ!あいつらなんとかしてくれたんじゃないの!?」
風夏ちゃんは足でダン!と地面を踏み付ける。
「石原がひまり庇ったって、結局逆効果だったのかもね」
菫ちゃんは私を守るみたいに、ずっと寄り添ってくれていた。
皆、私を見ながらヒソヒソと話してるような気がして。
遂にはクラスの派手めな女子に「大倉さん可哀想」って言われてしまった。
「は?何言ってんの?」
私が何か言うより先に、菫ちゃんと風夏ちゃんが庇うように私の前に立つ。
「遠藤さん怖いって!ウチら大倉さんの味方だから!」
「石原君に酷い騙され方したんでしょ?ホント酷いよねーイケメンってやっぱ性格悪いんだぁ」
「ひまりは騙されてなんかないから!何適当なこと言ってんの?」
「風夏が庇うのも分かるけどさぁ、皆言ってるよ?石原君はただのゲームで大倉さんに告ったって」
「そうそう、だから大倉さん可哀想だなって思ってるんじゃん」
私を心配してくれてるような言動だけど、表情を見れば何となく分かる。
ーーそうじゃなかったら、大倉さんが石原君と付き合えるわけない
この子達は前にも、私と旭君のことを色々聞いてきた。目立つ旭君と平凡な私が付き合ってることに納得がいってなかったんだ。
だから噂を聞いて、彼女達の中では凄く合点がいったんだと思う。
「それ全部デタラメだから。石原の方がひまにベタ惚れなんだから」
「えー、でも」
「ありがとう、心配してくれて」
本音を隠して、精いっぱい笑う。
「でも私は大丈夫だから。怖いね、噂って。事実じゃなくても関係なく広まっちゃう」
「ひま…」
「ひまり…」
「大倉さん、ウチら大倉さんの味方だから!」
「うん、ありがとう」
「なにあれ」
「ひまりの言うこと全然聞く気ないじゃん!私がもう一回」
「大丈夫だから、ありがと」
「でも…」
「あの子ら、ホントに言いふらしたんだね」
「信じらんない!ここまでする!?」
この前のトイレでの出来事を、私は二人に話した。二人とも自分のことみたいに怒ってくれて、それだけで凄く心強くて。
内心怖かったけど気にしないようにしてたら、こんなことになってしまった。
「石原も石原だよ!あいつらなんとかしてくれたんじゃないの!?」
風夏ちゃんは足でダン!と地面を踏み付ける。
「石原がひまり庇ったって、結局逆効果だったのかもね」
菫ちゃんは私を守るみたいに、ずっと寄り添ってくれていた。