嘘吐きな王子様は苦くて甘い
ベッドで横になってたらいつの間にか眠ってたみたいで。目が覚めて窓に目をやると、もう既に外は薄暗くなっていた。
「…そうだ、旭君」
ボーッとする頭で一番に思い出したのは大好きな彼のこと。
枕の横に置いてあるスマホを手にとって旭君に連絡しようとした瞬間、下からお母さんに名前を呼ばれた。
「お母さん?」
階段を降りながら、お母さんを探す。
「降りてきて大丈夫なの?」
「うん、大分痛みも引いたし。それより何…」
言いかけて、すぐに階段下の玄関に目がいった。そこには旭君と、旭君のお母さん。
私と目が合うと、旭君のお母さんが悲壮な表情を見せる。
「ひまりちゃん、大丈夫!?」
「あ、はい。大したことなくて」
「でも思いっきり背中打ったんでしょう?痛かったよね…」
悲しそうな声でそう言った後、私に向かって深々と頭を下げた。
「ウチの旭のせいで怪我をさせてしまって、本当にごめんなさい」
「えっ」
「大倉さん、大切なお嬢さんを傷付けてしまって大変申し訳ありませんでした」
今度はお母さんに向き直って、また頭を下げる。
その姿に、私もお母さんも恐縮してしまった。
「そんな…旭君のせいじゃないわよウチの子が勝手に飛び出しちゃっただけなんだから!石原さん、お願いだから頭上げて?」
「そうです、旭君何も悪くないです!寧ろ旭君は私のことずっと庇ってくれてたんです!」
旭君のお母さんと同じように旭君も頭を下げてて。私が怪我が更に旭君の罪悪感に上乗せされたかと思うと、凄く申し訳ない気持ちになる。
「旭がケンカなんかしなきゃ、ひまりちゃんをこんな目に合わせることもなかったから。本当にごめんなさい」
私とお母さんが否定しても尚、二人は謝り続ける。最後はこっちから「もう謝るのやめて」ってお願いする位だった。
「お母さん、旭君と二人で話してもいい?」
「もちろん。部屋に上がってもらう?」
「旭君のお母さん、旭君に上がってもらってもいいですか?」
「ひまりちゃんがよければ」
私はニコッと笑って、旭君を見る。
「ありがとうございます!旭君、行こ!」
旭君は、あからさまに困った顔をする。
「ほら、早く上がって!」
「怪我してんじゃん。ゆっくりしねーと」
「大丈夫だから!早くっ」
私の勢いに負けたのか、旭君は私のお母さんにペコッと頭を下げると靴を脱いで私の後をついてくる。
私より背の高い旭君が今日はやけに小さく見えて、思わず笑ってしまった。
「そこ座って?」
さっきは旭君と話したかったから勢いで呼んじゃったけど、よく考えたら大胆なことしたなぁって恥ずかしくなる。旭君が私の部屋に来るなんて、一体いつ振りだろう。
「お前寝てろよ」
「うん、大丈夫」
「いいから」
気遣ってくれてるのは分かるけど、流石に寝ながら話せない。だからベッドに座る形で許してもらった。
「マジで大丈夫か?」
「うん、骨に異常もないし打っただけだよ」
「まだ痛い?」
「触ったりしなきゃ大丈夫」
「そっか」
旭君が思いっきりションボリしてる…
「…そうだ、旭君」
ボーッとする頭で一番に思い出したのは大好きな彼のこと。
枕の横に置いてあるスマホを手にとって旭君に連絡しようとした瞬間、下からお母さんに名前を呼ばれた。
「お母さん?」
階段を降りながら、お母さんを探す。
「降りてきて大丈夫なの?」
「うん、大分痛みも引いたし。それより何…」
言いかけて、すぐに階段下の玄関に目がいった。そこには旭君と、旭君のお母さん。
私と目が合うと、旭君のお母さんが悲壮な表情を見せる。
「ひまりちゃん、大丈夫!?」
「あ、はい。大したことなくて」
「でも思いっきり背中打ったんでしょう?痛かったよね…」
悲しそうな声でそう言った後、私に向かって深々と頭を下げた。
「ウチの旭のせいで怪我をさせてしまって、本当にごめんなさい」
「えっ」
「大倉さん、大切なお嬢さんを傷付けてしまって大変申し訳ありませんでした」
今度はお母さんに向き直って、また頭を下げる。
その姿に、私もお母さんも恐縮してしまった。
「そんな…旭君のせいじゃないわよウチの子が勝手に飛び出しちゃっただけなんだから!石原さん、お願いだから頭上げて?」
「そうです、旭君何も悪くないです!寧ろ旭君は私のことずっと庇ってくれてたんです!」
旭君のお母さんと同じように旭君も頭を下げてて。私が怪我が更に旭君の罪悪感に上乗せされたかと思うと、凄く申し訳ない気持ちになる。
「旭がケンカなんかしなきゃ、ひまりちゃんをこんな目に合わせることもなかったから。本当にごめんなさい」
私とお母さんが否定しても尚、二人は謝り続ける。最後はこっちから「もう謝るのやめて」ってお願いする位だった。
「お母さん、旭君と二人で話してもいい?」
「もちろん。部屋に上がってもらう?」
「旭君のお母さん、旭君に上がってもらってもいいですか?」
「ひまりちゃんがよければ」
私はニコッと笑って、旭君を見る。
「ありがとうございます!旭君、行こ!」
旭君は、あからさまに困った顔をする。
「ほら、早く上がって!」
「怪我してんじゃん。ゆっくりしねーと」
「大丈夫だから!早くっ」
私の勢いに負けたのか、旭君は私のお母さんにペコッと頭を下げると靴を脱いで私の後をついてくる。
私より背の高い旭君が今日はやけに小さく見えて、思わず笑ってしまった。
「そこ座って?」
さっきは旭君と話したかったから勢いで呼んじゃったけど、よく考えたら大胆なことしたなぁって恥ずかしくなる。旭君が私の部屋に来るなんて、一体いつ振りだろう。
「お前寝てろよ」
「うん、大丈夫」
「いいから」
気遣ってくれてるのは分かるけど、流石に寝ながら話せない。だからベッドに座る形で許してもらった。
「マジで大丈夫か?」
「うん、骨に異常もないし打っただけだよ」
「まだ痛い?」
「触ったりしなきゃ大丈夫」
「そっか」
旭君が思いっきりションボリしてる…