黒翼の淡恋
「記憶をなくす前のお前がどんな奴かは知らない。だが、仇を取るためにここに来たのなら・・それは間違いなく俺だ」


「そんな・・そんなの嘘だ」


「事実だ」


「シリウス皇子・・」


「これでも俺を好きだと言えるか?言えないだろ」


「・・・っ」



体に力が入らない。

しかしティファは力を振り絞って懸命に首を横に振った。


「シリウス皇子は・・優しくしてくれました」


「罪滅ぼしに決まってるだろう」


ズキン


「罪・・・」


「今夜迎えが来るというのなら。都合がいいだろう。帰るがいい」


落胆しながらも、ティファは顔を見上げた。

いつもの冷静なシリウスの声が少し揺れたからだ。

とても辛そうに顔を歪ませていた。

しかし、拒否をされた以上は自分では決める事なんて出来るハズないと思った。

出ていけという事だろうから。

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