黒翼の淡恋
それから毎日決まった時間に食事が届く。

濡れたタオルで体を拭う。

何もすることもなくジッと天井の窓を見つめるだけの生活だ。

1週間それが続いた。


「はぁ・・」


精神的に限界だった。

生きる気力さえも徐々に失われていく様な生活。


「辛い・・こんなの・・こんな・・」


どうして、何故と何度考えても答えは出ない。

頭の中は真っ白だ。

たまに聞こえてくるのは自分を毛嫌う兵士の声だけ。



「誰か・・」


_助けて・・。


いつしか天井の窓から差し込む光に祈る様になった。
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