黒翼の淡恋
「お前の勇気に免じて、傍においてやることにした」


「・・・・・・・・・・ぇ?」


理解出来ずに目を丸くさせていると、シリウスは不機嫌そうにティーカップをテーブル置いた。


「一度で理解出来ない奴は嫌いだ。無能」


「・・・」

唖然として言葉が出なかった。

_傍に置くとは??


「あのっだって・・私は・・」


「魔女か?」


ぶんぶんぶん

懸命に首を横に振った。

それから怯えつつも確認した。


「・・殺さないの?」


「お前、殺されたいのか?そればかり」


「ち、違います!だって・・あの状況じゃ・・そう思わざるを得ない・・し」


「フ。」


とシリウスが鼻で笑うと、フォルトはむすっとしながら補足した。


「あなたを殺すのにわざわざシリウス様の手を汚す必要ないでしょう」


「え・・でも・・」


「つまりだ。監視を続ける」


ドキン


_監視!?私の!?


「近くでお前の動きを見てやる。もし、俺を殺そうとするなら、いつでも相手になってやる」


「ころ・・え?えぇ!?」


理解できなかった。


「肉弾戦ならば、圧倒的に俺の方が強い。そこら辺にいる兵士なんかよりもな」


「は・・はぁ・・」


「お前の正体をあばく。というのを今日から俺の趣味にする」


「趣味・・」


シリウスの言葉を聞き、フォルトは深いため息をついた。


「いくら刺激がないからって・・」

「何か言ったか?」

「いえ何も」


フォルトはすぐに目を逸らした。
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