独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい

 染谷社長は三人の後ろ姿をしばらく見送ったあと、私に向き直って告げる。

「人事の最適化は、我が社でも採用している。もちろん世襲制も廃止した。その上で海斗自身が周りに認められる仕事をしなければ、無論社長職には就けない」

 染谷社長なりの叱咤激励は、染谷ケミカルホールディングスの御曹司だからという高い壁が取り払われていく気がした。

「傍で海斗を支えてやってほしい」

「はい」

 柔らかい父親の顔になった染谷社長に、私も頬を緩ませる。

「近いうちに、我が家に遊びに来てほしい。妻も会いたがっているよ」

「はい。是非」

 染谷社長の隣にいた父が、同じように私を誘う。

「うちにも、たまには帰って来なさい。お母さんが寂しがっている」

「はい。お父様」
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