独占欲強めな副社長は、政略結婚で高嶺の花を娶りたい

 海斗さんは『長くなると思う』の言葉通り、話を続ける。

「ただ、由莉奈のお父さんは違った。何度仕事で顔を合わせても、娘がいるとは言わない」

「そう、だったんですか」

 海斗さんのなにが気に入らなかったのだろう。本当に、鼻持ちならないだなんて、そんな理由で?

「うちの父は俺になんとしても早く身を固めてほしいから、情報は得ている。まあ、勧められるのは面倒だ。言わないでいてくれた方が有り難いと、放っておいた」

 思い描いた想像とは、どんどんかけ離れていく。それがどうなったら、今の状況になるのか皆目見当がつかない。

「それでも、社長も俺の父親に突かれたのだろうね。ある日、急に今のが私の娘ですって」

 当時を思い出しているのか、言葉を切って海斗さんは笑みを浮かべる。

「え? は? って思うよね」

「いつ、ですか? 私は記憶がないのですか」
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