ねえ、私を見て
「泣いてるの?」

日奈人君の指が、私の涙を拭った。

「まだ悲しい?」

「ううん。さっきの日奈人君の言葉に、癒されちゃって。」

日奈人君は、ニコッと笑った。

「もっと癒してあげる。くららさんは、俺に抱かれる度に、元気になっていくんだ。」

「そうね。」

至近距離で見つめ合って、口付け合って、身体が溶け合った。

ああ、私。

今、幸せだ……


家に帰ると、夫がテレビを観ながら、私の帰りを待っていてくれた。

「お帰り。今、何時だと思ってんの。」

「何時って……もう少しで20時……」

「俺、今日早く帰るから、外食でもしようって、言ったよね。」

「あっ……」

夫との約束、すっかり忘れていた。
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