ねえ、私を見て
「そう。急いでちょうだい。」

「はい。」

何やってんのよ。

これじゃあ、仕事の信用もあったもんじゃないわ。

慌てて銀行のシステムに、報酬の金額を打ち込む。

隣に座る日奈人君も、心配そうにこっちを見ている。

できれば見ないでほしい。

こんな惨めな姿。

こんな時に会う約束をするなんて、馬鹿だと思った。


仕事が終わって、約束の場所にトボトボと歩いて行った。

先に日奈人君の姿が、約束の場所にあった。

「お待たせ。」

「ううん。待ってないよ。」

日奈人君は、笑顔で迎えてくれた。

それがなんだか、もどかしかった。

「今日は別なお店行こうか。」

「別なお店?いい店、知ってるの?」
< 118 / 147 >

この作品をシェア

pagetop