ねえ、私を見て
そしてそれを言うなら、今だ。

「要ちゃん。あのね……」

「なに?」

何だかいいにくい。

「お腹の赤ちゃん。要ちゃんの子供じゃ、なかったとしたら?」

冷たい風がサーッと吹く。

「えっ……」

「私、大学生の彼と別れて、間もないから。その……彼の子供かもしれないし。」

「俺の子供かもしれないだろ。」

改めて言われると、犯した罪の大きさに、身体が重くなる。

「くらら。お腹の子供は、俺の子供だよ。」

「要ちゃん……」

「俺の子供だって。俺には分かる。」

夫の強い言葉に、ほっと安心する。

「くらら、おいで。」

両手を広げる夫の胸に、私は飛び込んだ。

「これから、新しい家族が始まるんだな。」
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