双子の異世界・奇跡の花束
「だが、姫様の家族があっちにいる。きっと心配して無事に帰る事を祈っているだろう」


「そ、そりゃそうだけどよ」


「姫様はあちらの世界で生きていかねばならない・・帝国の皇女だからな」


「・・・いけ好かねえ」


「あんた達にとってはそうだろうな」


「あんたにゃ悪いが、帰る方法がなけりゃいいって思っちまうぜ」


「・・・」


ゼノは黙った。

確かに確実に帰れるなんて保証はない。

自分が昔時空の狭間に飛び込んだ時も、もとの体は消滅し今の体に魂が入った。

無理にでも帰ろうとすれば、死ぬかもしれない。



_姫様の幸せ・・・か




「団長」


「あん?」


「乾杯」


「・・おう?乾杯!」


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