その手をぎゅっと掴めたら。

「そっか。凛ちゃんは真奈ちゃんに嫌がらせをする悪い子ではあるけど、自身も色々と悩んでいるのかもね。凛ちゃんが望むのであれば話を聞いてあげてもいいと思うけど、強がって拒否する可能性もあるねぇ」


「昨日、大丈夫?ってメールしてみたのですが、返事はなくて…」


「それなら引き継ぎ毎日メールして、心配している友達が居るんだって分かってもらうことが必要だね。高校生のネットワークは狭いし、学校に行かないと自分が世界から置いてきぼりだって孤独を感じると思うからね」


「その気持ちは分かります。学校に行かない自分はダメだと思い込んでしまうんです」


学校が全てではないと、分かっているのに、世界の広さを知らない私たちは焦る気持ちを止められないのだ。


「とにかくゆっくりね」


青山さんに相談する私のように、第三者に聞いてもらうことで変わるものがあると思う。凛ちゃんにもそういう相手が居て、早く学校に来てくれればいい。私でよければ、なんでも聞くのに。


始業式の日、私に話しかけてくれた凛ちゃんへの恩は忘れ難いものだから。

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