その手をぎゅっと掴めたら。

凛ちゃんのことを話すと雪ちゃんは嘲笑う。


「お人好しすぎない?真奈の机に落書きしてたのも凛ちゃんだよ。本人から聞いたよね?」


「私も聞いた!」


最近では早紀ちゃんとも普通に話せるようになり、3人で行動を共にすることが多くなった。


「と言っても私も真奈には酷いことしたと思ってる。本当にごめんね」


「それはもう何回も聞いたし、謝ってくれたから許してるよ」


凛ちゃんの話題を持ち出す度に早紀ちゃんは私への謝罪を口にする。彼女もまた凛ちゃんの言動に愛想をつかしたという。


中学も高校もなんら変わりない。
友人関係は歪で、友情はすぐに崩壊する。

子供ながらにそれを理解して、友達を作ることを怖がっていたし、亜夜以外は心の底では信じられていなかった。


だから凛ちゃんたちにも愛想笑いを浮かべて気を遣い、なんとか上手くやってきたのだ。心ここに在らずの対応をしてきた私にも非があったことを反省している。

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