悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。

瞬間。
マリンの香りが鼻をくすぐって。


「俺といんのに、一秒でも離れるなんて許さない」


あまいあまい声とぬくもりに、後ろからすっぽり包み込まれた。


「さっ、漣く……っ」


肩にぽすっと頭がのって、ぎゅうううと苦しいくらい抱きしめられた。


ぐ、ぐるじい……


「だれかに見られちゃう……っ」


「だいじょーぶ。
誰もいない」


「そんなのわかんなっ……」


「好きだよ」


「っ、」


「海凪のことがすき。好きすぎて俺、どうにかなりそう」


「なっ、なに急に……っ」


「言わなきゃ伝わんないと思って。
好き。好きだよ。海凪のことが、死ぬほどすき」


「っ〜!!」


「ねえ、いいかげんこっち見てよ」


ななめ後ろからそっと顎を掬いとられて、漆黒の瞳がわたしをとらえる。
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