そして最後の嘘をつく
「やっほ~、高校生くん。
今日はテレビの取材してきた!」

外の寒さに頬を真っ赤にして
うちにくる如月さんのために、
いつでもお風呂はあたためてある。

「ご飯は作っとくのでちゃちゃっと
お風呂に入っちゃってください。」

僕がそういうと如月さんは
いつも通りシニョンに結い上げた髪を
ほどきながら返事をした。

「わかった!高校生くん
いつもお風呂もご飯もありがとうね。」

「そんなこと言っても今日は
買い忘れたから豚肉ないですよ。」

「別にそういう意味で
言ったんじゃないのになー?
高校生くん、褒め言葉は
素直に受け取ってくれないよね。」

「早くお風呂はいってきてください!」

僕が大きな声を上げると
如月さんは楽しそうに笑って
出ていった。
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