そして最後の嘘をつく
歪んだ旋律
人はいずれ死ぬ。
昔から、僕の思考は周りの人よりも
少しだけ死に近い位置にあった。

死んだらどうなるのだろう。

別にいじめなどで精神を病んでいる
わけでもなく、満足に生きているのに
そういうことを考えたのも
両手で数えられる回数ではない。

僕にとってピアノは友達、
もしくはそれ以上の存在であり
何よりもピアノが好きだった。

今はもう弾けないのだ、
人生には何の未練も残っていない。

少し前まではそう思っていた。

だけど、あのときの如月さんとの
出会いが僕を変えてくれたのだろう。

死んだらどうなるのか、
そういうことへの興味が薄れ
如月さんに興味を持ったのだ。
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