医師の妻としての覚悟 ~寂しさと過ちを乗り越えて…

「ねぇ。少し 落ち着いたら。コーヒーでも 飲む?」


圭介は 立ち上がって 窓の外を見たり

テレビのチャンネルを あっちこっち 変えたり。


「んっ?ああ…そうだな。」

おしゃべりな圭介が 黙っているのは

考え事を しているから。


多分 今日中に 帰れなかった時の 言い訳。


私は コーヒーを淹れながら

圭介に 幻滅していた。


男なら もっと 堂々としていてほしい。

もし 仕事に穴を開けたら 圭介は どうなるの?


そういうことも 覚悟して

旅行に誘ったんじゃないの?


今さら そんなに 動揺するなら

最初から 旅行なんて しなければいい。



もし 仕事を失くすような ことになれば 

奥さんにも 旅行のことが バレてしまう。


そうなれば 私だって 無事では いられない…


オロオロする圭介に 私の心は スーッと醒めていく。


どうして 私は この人と 付き合っていたんだろう…








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