医師の妻としての覚悟 ~寂しさと過ちを乗り越えて…

「救急外来で 涼子見た時 俺 本当に ビビッって 来たんだ。涼子 事故のショックなのか 青ざめた顔してて。でも 必死に 説明してくれて。すごく美人なのに 温かい雰囲気で。痩せてるけど 不健康な痩せ方じゃなくて。俺が 話すこと じっと聞いてくれて。時々 クスッて笑って。」

「そうだったかしら…?事故なんて 初めてで 驚いたから。あまり覚えてないわ。でも 京一さんのことは よく覚えていたのよ。帰ってから 友達に ” 素敵な先生に 診察してもらった ” って 自慢したの。」


「ハハハッ!本当に?俺 それから 涼子が 診察に来る日を チェックして。整形の 待合室を ウロウロしてたんだぁ…」

「そう。よく 待合室で 京一さんに会ったのよね?」

「涼子と 話すきっかけが 欲しくて。どうやって 仲良くなろうか 真剣に 悩んでいたんだよ。」

「そうなの?私も 京一さんに 会うと 嬉しかったのよ?」


「俺 それなりに 恋愛経験あったはずなのに。涼子の前だと 全然 余裕がなくてさぁ。情けなかったよ。」

「嘘!京一さん いつも 落ち着いていたわ。私 京一さんに会うの 楽しみだったから 腕が治るのが 寂しかったのに。」


「ホントに?でも 最後の診察の日 俺が 食事に誘ったら 涼子 戸惑った顔 しただろう?俺 絶対 変に思われているって 落ち込んだんだよ?」


「違うわ。驚いただけよ。すごく 嬉しかったの。京一さんのこと もっと知りたいって 思っていたから。」

「あの日 付き合いたいって 俺が言ったら 涼子 オッケーしてくれただろう?夢みたいに 嬉しかったんだよ。それなのに 俺 忙しくて。落ち着いて デートもできなくてさ。そのうち 絶対に フラれるって ずっと 不安だったんだ。」


「そうなの?お医者様と 付き合うって そういうことだと思ったから。私の方こそ 忙しいのに 無理してないか 心配だったの。だから あの日 京一さんに ここで暮らさないかって 言われた時は すごく驚いたわ。」


「そうだよなぁ…俺達 キスもしてなかったんだよな?あの日まで。」

「そうよ。それなのに 京一さん 結婚したいって 言うんだもん。」

「俺は 会えば会うほど 涼子を好きになっていたから。絶対に 涼子と 離れたくなかったんだ。」

「私だって。京一さんのこと どんどん 好きになっていたのよ。京一さん みんなに 誠実で。責任感が 強くて。でも 照れた顔は ちょっと可愛くて…」


「涼子 そんな風に 思っていてくれたの?俺 全然 自信がなかったから。涼子が 来てくれたこと ずっと信じられなかったんだ。」

「私こそ。こんなウマい話し 何か 裏があるんじゃないかって。ずっと思ってたのよ。そのうち 人体実験されたり するのかもって。フフフッ。」



「俺 一緒に暮らしてからも ずっと忙しかったろう?でも 忙しさを 隠れ蓑にして 涼子と向き合うことから 逃げていたのかもしれない…ずっと 自信がなかったんだ。いつか 涼子が 去ってしまうような気がして…」


「京一さん……?」


初めて聞いた 京一の弱音が 衝撃的で

私は 驚きで 身震いをするほどだった。








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