政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
だから借金を背負ったからといって、それをカッコ悪いと思うわけがない。むしろ新品種の開発に成功した和夫を誇りに思っている。
「菜摘にそう言ってもらえてうれしいよ」
少し照れくさそうに笑う。
「私がもっと頼りになればいいんだけどね」
理仁に助けを求めなくても、菜摘がなんとかできれば一番よかったのにと思わずにはいられない。ここぞというときに力になれない自分がもどかしくもある。
「菜摘は頼りなくなんかないぞ。孫娘と一緒にイチゴを育てられるなんて想像もしていなかったからな。なによりの幸せだ」
大学の農学部で学んだ菜摘は卒業後、農園で和夫と一緒にイチゴを育てている。大学で習得した知識を少しでも生かせればと、和夫に負けず劣らずイチゴを愛してやまない毎日である。
「日高さんが農園を救済してくれるのはわかったんだけどね……」
「結婚の話だろう?」