政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
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理仁に再会したのはそれから二ヶ月後。ミレーヌ主催で開かれたパーティー会場だった。
ミレーヌの取引先が一堂に会すそのパーティーには、一般企業はもちろん契約農家も招かれていた。ミレーヌはフルーツをふんだんに使ったケーキや焼き菓子が人気のため、みかんや桃、りんごなど多種多様な農園の経営者たちだ。
佐々良イチゴ農園が招待されたのは、理仁が視察に訪れた直後に正式に契約を結んだため。最初にパーティーの話を聞いたときには和夫がひとりで出席する予定だったが、招待状に菜摘の名前も記載されていたので無視するわけにいかず、足を運ぶことになった。
それでも気が重いのに変わりはない。
「ねぇ、おじいちゃん、本当に私も顔を出さなきゃダメかな」
会場の扉を開ける直前まで和夫に何度も同じ愚痴をこぼした。当然ながら、それで和夫が〝帰っていいよ〟と言うはずもなく、乗り気になれないままの会場入りだ。
高級ホテルとして名高く、まばゆい光に包まれたホールは正装した男女が入り乱れ、煌びやかな雰囲気を醸し出している。