紅に染まる〜Lies or truth〜



「「「ブッ、ハハハハハ」」」


尋以外の3人が吹き出した


「え?何?」


「あ〜腹痛てぇ、愛、マジウケ」


「え?」


隣の尋は凄い勢いで睨んでくるし
3人はお腹を抱えて笑っている


「変なこと言った?」


「ヒッ、い、言ってねぇ、な」


笑いすぎて涙を拭く巧が
かろうじて返事をしてくれる


「変なのっ」


考えてもわからないことは
とりあえず放置することにした


「ねぇ、ところで何処行くの?」


隣の尋を見上げたのに


「ショッピングモール」


答えたのは助手席の巧だった


「尋、大丈夫?」


「ん?」


「だって・・・変だよ?」


「・・・問題ねぇ」


最後は消えそうな声で答えた尋


「いくらギャルが好きでも動揺し過ぎよね」


小さな呟きに反応した尋は


「俺はギャルは好きじゃねぇ」


ワゴン車を一瞬で凍らせるような
低い声で唸った


「・・・っ」


ほんの少しだけ驚いたから
尋を見つめたままの目が大きく開く


「尋っ!」


巧の制する声に反応した尋は


「愛、悪りぃ」


罰の悪そうな顔で
私の頭を撫でた


「南に居る間はギャルの予定だから慣れてね」


見る度に気分を上げ下げされても困る
そう思いながら尋を見たのに


「気にすんな」


よく分からない答えが返ってきた



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