私は、この人の妻?

おばあ様は、海斗さんと岡田さんに
「穂乃華は、こちらの藤堂さんと
再婚したんだよ。」
と、言うと
海斗さんも岡田さんもびっくりしていたが
雪哉さんは、亜希寿を下におろして
「亜希寿、少し待っていてね。」
と、伝えると
名刺を二人に渡して
「藤堂 雪哉と申します。
本日入籍を済ませました。
式は後日になりますが。
私の命に変えても
穂乃華と亜希寿は、
幸せにいたしますので
心配しないでください。」
と、言うと
海斗さんは、つらそうにしながら
「宜しく···お願い····致します。」
と、頭を下げた。

そんな海斗さんに私は、
「どうぞ、海斗さんも
幸せになって下さい。
時々、佳寿ちゃんのお墓参りを
させて頂けたらと思っています。」
と、言うと
「ありがとう。
いつでも来てやって下さい。」
と、海斗さんが言ってくれたから
「ありがとうございます。」
と、言ってから
岡田さんと言う方に
「辛い思いをされたのでは
ありませんか?
ですが、どうぞ海斗さんの事を
宜しくお願い致します。」
と、私は頭を下げた。

岡田さんは、びっくりされていたが
首を横にふりながら
「私のほうこそ
すみませんでした。
ですが、また、亜希寿君に
合わせて貰えませんか?」
と、海斗さんを見ながら言われて

私は雪哉さんを見る····と
雪哉さんは、頷いていたので
海斗さんと岡田さんに頷いた。

それを見て雪哉さんは、
「それでは失礼致します。
穂乃華、帰るよ。
おばあ様、では行きましょうか?」
と、亜希寿を抱いていない手で
私の手を繋いで
おばあ様を見ながら
雪哉さんは、車に向かった。

雪哉さんが海斗さんにあって
嫌な気持ちになったのではないかと
思っていると
雪哉さんは、そんな私を見て
優しく微笑んでくれた。

おばあ様も
「雪哉さん、すまないね。
嫌な思いをしたのではないかい?」
と、車の中で訊ねる
「まったくと言うわけでは
ありませんが。
穂乃華と今日入籍を済ませて
いましたから、
穂乃華は、私の妻だと。
絶対に穂乃華も亜希寿も渡さないと
思えました。
ですが、かなりのイケメンですね。
それには、びっくりしました。」
と、答える雪哉さんが
可笑しくて笑ってしまった。

おばあ様は、
海斗さんのあれからを
簡単に話してくれた。
岡田さんの事も踏まえて。

正直、私の事だけが抜け落ちる
なんて····不思議でしょうがなかった。

だけど、そんな中でも
岡田さんの事はちゃんとわかり
岡田さんが、海斗さんを
立ち直らせたのだから
やはり、海斗さんの相手は
私ではなかったと
改めてわかった。

亜希寿は、海斗さんを見ても
雪哉さんだった。

いつか、自分が雪哉さんの
子供ではないとわかり訊ねてきたら
話して上げようと
思っていた。
まあ、雪哉さんに相談してからだが·····

私達は、
おばあ様をお家に送り届けて
雪哉さんのマンションに帰った。

亜希寿は、車の中で
眠ってしまった。
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