私は、この人の妻?

···知り得る


すると·····
今まで、黙っていた海斗さんが·····

「·····ほ············の···か····?···」
と、言いながら
私に近づくから
雪哉さんが私の前にでた。

おばあ様と岡田さんは、
「「海斗?思い出したのかい?」」
と、言う。

雪哉さんも不思議に思い
おばあ様を見た。

おばあ様は、
私を見ながら·····
「海斗は、佳寿の葬儀位から
穂乃華の記憶がないんだ。
穂乃華の事だけが抜け落ちていた。

岡田さんが言うには
無意識に穂乃華の名前を
呼んだり、愛していると
言ったりしていたらしい。
不思議なんだがな。」
と、言われた。

岡田さんは、切ない顔をしながら
「すみません。葬儀の時
俺と海斗の話を聞いたのですね。」
と、言われたから
私は正直に頷いた。

海斗さんに未練があるわけではないが
涙が流れた。

亜希寿は、雪哉さんから
下ろして貰い
私の涙を拭きながら
「パパ、ママはかなしい?
うれしいの?」
と、雪哉さんに訊ねた
「う~ん。ママは悲しいのかな?」
と、言うと
「ママ泣かせたら、ダメ。
あっち行って。」
と、言う亜希寿に
雪哉さんは、
「亜希寿、このおじちゃんの
おばあちゃまから
亜希寿は、名前をひとつもらったんだよ
だから、ありがとうだね。」
と、言うと
亜希寿が私の顔をみたから
亜希寿に頷くと
亜希寿は、海斗さんに向かい
「おなまえ、ありがとう。」
と、頭を下げた。

海斗さんは、両膝を付き
亜希寿を抱き締めて涙を流した。

亜希寿は、びっくりして
「いたいの?」
と、訊ねる······

海斗さんは、首を何度も横に
ふりながら
「ありがとう。
本当に······ありがとう·····
と、何度も言っていた。

海斗さんが亜希寿を離すと
亜希寿は、
「パパ!!」
と、雪哉さんに飛び付く
雪哉さんも亜希寿を抱き締めながら
「亜希寿、えらいぞ。」
と、言うと
亜希寿は、嬉しそうに
雪哉さんを見つめていた。
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