黒王子の溺愛
その白い肌も…、
触れると尖る先端は、舌で触れるとぷっくりして綺麗な色になって、艶やかなその先端は、どれだけ触れても飽きることなんて、ない。

そこを舌で触れると、とても感じてしまうようで、何も知らない、あの、美桜の甘く喘ぐ声を聞いたら、たくさん、気持ちよくさせたくて、甘い声を聞きたくなってしまう。

重ねるとふわりとしていて、甘い唇も、
柔らかく絡まる舌も、
中からどんどん溢れてきて、柾樹を離そうとしない秘部も。

何度か触れて、もう、分かっている。
どこを触られたら、声を上げるのか、気持ちいいのか。

柔らかくて、滑らかな肌の感触、シミひとつない、真っ白な肌。
綺麗な胸、身体を反らせた時の身体のライン。

全てを覚えている。
いつでも思い出せる。

どんな小さな仕草も、どんなささやかな声でも。
全部、全部だ。

──愛している。

それはもう、言葉では言い尽くせないくらい。

けれど、
…きっと美桜はそうではない…。

美桜は父親に言われて、結婚を決めた。
そう、これは政略結婚なんだ。

柾樹はぎゅっと拳を握った。

自分にそう言い聞かせないと、いつタガが外れるか分からない。

どんな時でも、気高くて、美しくて、自分には勿体ないくらいの人なのに。
< 37 / 86 >

この作品をシェア

pagetop