黒王子の溺愛
噂には、聞いていた。
あの黒王子がメロメロで、甘々だ、と。
そんな訳はないだろう、と思っていたのだが、あながち噂は嘘でもないらしい。
デスクの上には、食べかけのおにぎりが転がっている。
ちょうど、ぽいっと口に入りそうな感じだ。
スープジャーまで置いてあって、その中身がお味噌汁のようだった。
──お嬢様と聞いていたけれど、なんと献身的な…。
感心してつい、おにぎりをじっと見つめてしまう。
「おい。俺のだからな。」
「誰も食べませんよ。けど…美味しそうですね…。手作りのおにぎりなんて、ここ何年も食べてないです。」
「確かに、おにぎりがそもそもこんなに美味しいと思ったことはなかったからな。」
「美桜さんの愛情がこもってる、というわけですか…。」
「そうだ。そんなものやる訳ないだろう。」
柾樹に真顔で返される。
今まで、結婚というものに倉田は憧れはなかったが、……なんだこの2人…っラブラブすぎるだろ…!
心の中で密かに応援するようになったのだ。
「視察…な。」
「そうです。仕事のようなものです。それに…ここはコテージにはプライベートプールがあるんですよね…。」
「プール…ああ、資料にもあったな。」
「つまりですね、誰にも見られることなく、美桜さんの水着姿を堪能できる…と。」
「で、視察はいつにする?」
──早っ。
資料としてしか見ていなかったその内容が、倉田の一言で、柾樹の中で、一気にリアリティが出てきたらしい。
水着?
美桜の…?
確かに誰にも見せたくない。
けど、柾樹自身はとんでもなく見たい!
プライベートプール?
そんなこと考えるやつ、バカか何かか?
と普通なら思うところだが、ここは、感謝の一言しかなかった。
感じよかったら、なんとかしてやってもいい、と思うくらいには。
あの黒王子がメロメロで、甘々だ、と。
そんな訳はないだろう、と思っていたのだが、あながち噂は嘘でもないらしい。
デスクの上には、食べかけのおにぎりが転がっている。
ちょうど、ぽいっと口に入りそうな感じだ。
スープジャーまで置いてあって、その中身がお味噌汁のようだった。
──お嬢様と聞いていたけれど、なんと献身的な…。
感心してつい、おにぎりをじっと見つめてしまう。
「おい。俺のだからな。」
「誰も食べませんよ。けど…美味しそうですね…。手作りのおにぎりなんて、ここ何年も食べてないです。」
「確かに、おにぎりがそもそもこんなに美味しいと思ったことはなかったからな。」
「美桜さんの愛情がこもってる、というわけですか…。」
「そうだ。そんなものやる訳ないだろう。」
柾樹に真顔で返される。
今まで、結婚というものに倉田は憧れはなかったが、……なんだこの2人…っラブラブすぎるだろ…!
心の中で密かに応援するようになったのだ。
「視察…な。」
「そうです。仕事のようなものです。それに…ここはコテージにはプライベートプールがあるんですよね…。」
「プール…ああ、資料にもあったな。」
「つまりですね、誰にも見られることなく、美桜さんの水着姿を堪能できる…と。」
「で、視察はいつにする?」
──早っ。
資料としてしか見ていなかったその内容が、倉田の一言で、柾樹の中で、一気にリアリティが出てきたらしい。
水着?
美桜の…?
確かに誰にも見せたくない。
けど、柾樹自身はとんでもなく見たい!
プライベートプール?
そんなこと考えるやつ、バカか何かか?
と普通なら思うところだが、ここは、感謝の一言しかなかった。
感じよかったら、なんとかしてやってもいい、と思うくらいには。