鈍感ちゃんと意地悪くんの出会いの物語
給食後の昼休み。うとうとしちゃって机に突っ伏していた時だった。

只でさえ賑やかな教室が、急にますます賑やかになった。

う~ん、騒がしい……でも眠い……。
もぞもぞと顔を背けて、出来るだけ音を遮るような体制をとった。

「……さん、立花さんっ!」

「……ん?」

肩を叩かれて顔を上げると、さっき噂の転校生のことを教えてくれた子だった。

「どうしたの?」

「よ、呼ばれてるよ、立花さんっ!」

ほら、と教室の入り口を指差す彼女は、さっき以上に興奮気味だ。

誰に呼ばれているのか確認しようにも、人だかりが出来ていて、肝心の人物は見えない。

ありさかなぁ、と席を立つも、よくこのクラスに遊びに来るありさに、人だかりが出来るとも思えないし……。
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