御曹司の恋の行方~地味な派遣秘書はご令嬢~
「お食事はどちらに行かれるんですか?」

「友人が詳しいので、いつも決めてもらってます」詳しいなら案内してと誘われるのを回避した答えだ。

「ご趣味は?」

「そうですね。今の所、余裕がなくて。特に思いつきませんね」この手の女性は、ドライブと答えようもんなら、連れて行ってと言われるのは目に見えている。

「お住まいはお近くですか?」

「実家の方に」嘘ばかりだ。

「紀子さんは?」

「私も、実家に住んでます」

それからも、紀子が翔を詮索する質問が続く。

見守る院長と全く興味なく食事を続ける遥。

ウンザリの翔。

食事も終わり、やっと時間がきた様だ。

「院長、本日は貴重なお時間をいただきまして、ありがとう御座いました」と遥が締めくくる。

「いやいや、こちらこそ楽しい時間をありがとう。娘も楽しかったようだし」

「翔さん、この後お時間は?」と紀子に誘われる。

「まだ仕事が残っておりまして」

「残念ですわ。近々お食事でも」

「機会があれば」最後までウンザリだ。

「では、お見送りさせていただきます」遥が帰る様に促してくれて、やっと席を立てた。

紀子は、遥をキッと睨み父親と帰って行った。









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