御曹司の恋の行方～地味な派遣秘書はご令嬢～

「遥は、わしの…知りたいか？」勿体振る公造。

「お祖父様、イタズラは止めてください！あっ」と自分でバラす遥。

「わしは、何も言ってないぞ？」

「もう」

紀子はもちろん、翔達も両親達も衝撃の事実に時が止まった様に固まる。

「どう言う事よ！私達を騙して秘書なんかになって」まだ強気な紀子。

「威勢のいい娘(むすめ)だな。気が強いのは嫌いじゃないが、常識は必要じゃ。このままじゃ、自分だけじゃなく、父親の職も危ぶまれるぞ」

とそこへ、
「紀子！お前って奴は。西園寺社長、この度は、娘が大変失礼な事を致しました。申し訳ございません」

「娘が可愛いのはわかるが、教育と常識は必要じゃ。お主も、娘を甘やかしてばかりいると、足元をすくわれるぞ」

「本当に申し訳ございません。末っ子で甘やかして、好き勝手させてたばかりに。人様にまでご迷惑をお掛けするなんて。西園寺社長、神宮寺社長、また改めてお詫びに伺います」

「お父様、何で私がこんな扱い？」

「お前、恥を知れ」
紀子の手を引き、「帰るぞ」と島崎はあっという間にいなくなった。