再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~
緊急の要件…だったんだろう。


とても不謹慎だけど…


良かった…と思ってしまった。


あのままだったら、私、坂井先生にキスされてたかも知れない。


でも、こんなこと瑞には言えない。


この病院に来て、先生同士仲良くして、頑張ろうって…やる気に満ちてるはずだから。


もし言ってしまったら、優しい瑞はきっと坂井先生を許さないと思う。


私のせいで、瑞がこの病院をやめることになったりしたら…


そんなの…絶対、嫌だよ。


だけど、これから先、坂井先生に会うのは…怖い。


退院したら、今日みたいなことはないだろうけど、仕事で会う度につらくなりそうで…


一生懸命勉強して、頑張ってお医者さんになって、真摯に医療と向き合って…


そんな風に、たくさんの患者さんを助けてきたはずの坂井先生。


きっと悪い人じゃないって、そう思うけど…


でも、そもそも私を好きだとか…本当なの?


もしかして、からかってるだけ?


全然頭が回らない、どうしたらいいの?


やだ…


まだ、手の震えが止まらない。
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