再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~
子どもの頃の優しい思い出
それからしばらくして、仕事を終え、瑞が部屋に来てくれた。


すごくホッとするのと同時に、あんなことがあったからかな…


ちょっと、気まずい。


『愛莉、大丈夫?まだ痛むのか?』


その優しい眼差しを、ずっと見つめてたら、きっと…


私、泣いちゃうよ。


だから、わざと目を逸らして、視線を落とした。


『来てくれたんだ。疲れてるのにわざわざありがとう…私は…全然大丈夫だよ』


嘘だ…


本当は痛みもまだあるし、坂井先生のことがあったばかりで心がキツくて。


「大丈夫」だなんていう精神状態には、程遠かった。


『本当に…大怪我にならなくて良かった』


『う、うん。私って、こういうとこあるから気をつけないとね』


『確かに、お前は昔から運動音痴だったな。元気に走ってるかと思えば、突然コケて怪我したり…よそ見して歩いてどっかに体をぶつけたり』
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