再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~
『悪いけど、これから先、小川先生と結婚することはない。そんな未来は絶対に来ない。うやむやにしたくないから、ハッキリと言う。俺は、愛莉と結婚する。誰が何と言おうが。だから、君には…俺なんかより、もっと立派な人を見つけて欲しい』


『そんなの嫌よ!他の人なんて…私は、瑞先生が好きなのに。親が病院を経営してる者同士、わかり合えるはずでしょ?この世界がそんな甘いものじゃないことくらい、瑞先生ならわかるでしょ?』


まるで、わがままな子どものようで、正直、手に負えないと思ってしまった。


美人で医師としても優秀、誰もがうらやむ環境におかれていても…


人は…


こんなにも傲慢になってしまうものなのか。


そう生まれたことを受け入れ、謙虚に真っ直ぐ穏やかに生きていければ…


彼女自身ももっと楽になれるのに。


『何度言われても気持ちは変わらない。もう、この話はしないで欲しい。もちろん、医師としてなら、君と切磋琢磨していきたいし、これからも…』


『嫌!そんなこと言わないで!私をフッたら必ず後悔するわ。瑞先生に後悔なんてさせたくないもの。だから、私は…絶対にあきらめない』


今は、もう何を言っても無駄だと思った。
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