再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~
あなたの腕に抱かれて
少し重い気持ちを引きずって、私達はマンションの部屋に入った。


ドアが閉まるか閉まらないかのタイミングで、瑞は私を抱きしめた。


真っ暗な中、靴も脱がずに。


『さっきの言葉、本当?』


『…さっきの?』


瑞は、私の顔を見た。


見つめ合う距離が数センチしかない。


『俺を…好きだって言ってくれた』


あまりにも甘い声と、熱くかかる吐息が、私の胸を一気に高揚させ、心臓の音を高鳴らせた。


『瑞、私…』


言葉にならないよ、どうしよう…


恥ずかし過ぎて、言えない。


『俺は、あの言葉が坂井先生を牽制するための道具じゃないって、そう思いたい』


右手で髪を触られ、体が熱くなった。


『私…瑞にふさわしくないよね。身分とか、見た目とか、才能とか…全然違ってる』


『誰かにそう言われたのか?』


『…』


『今言ったの、全部間違い。俺の思いと全然ズレてる。俺は…お前の全部が好きなんだ。好きで好きでたまらない。お前じゃなきゃダメなんだ』
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