再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~
次の日、私は、店で思わぬ出会いを果たした。


『こんにちは、お久しぶりです』


『あ!あなたは…』


『あの時は…大変お世話になりました』


奥様と喧嘩して、薔薇を11本買ってくれたお客様。


まさか、また来てくれるなんて…


『いえ。奥様は、薔薇の花束、喜んでくれましたか?』


『…』


少し、うつむき加減で黙る男性。


嘘、もしかして…?


悪い方に考えたくはないけど…


なんだかドキドキする。


『あれから、家に帰ったら、妻は…どこにもいなくて。心配で、あちこち探し回りました。結局、2人が初めてデートした公園にいたんですが。彼女がいないとわかって、必死に探してる時に思ったんです。僕には彼女が必要だって。もし、このまま会えなかったらどうしようって。考えたら、ものすごく怖くなりました。最悪のことも想像してしまって…』


最悪のこと…


この男性にとっては奥様、私にとっては瑞。


それぞれの大切な人が、もし自分のせいで居なくなったら…


もしそんなつらいことが本当に起こったら、絶対に耐えられない。


耐えられるわけないよ。
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