再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~
『…あ、ありがとうございます』


『奥様、薔薇がお好きなんてオシャレな方なんですね』


『たまに妻が買ってきて、花びんに飾っています。僕は、毎日の仕事に追われて、それを綺麗だと思う余裕もなくて。ましてや、自分が花を買うなんて思いもしなかったんですが…本当に馬鹿な事をして、妻を悲しませてしまって…』


まさか…


浮気しちゃったとか?


だとしたら…奥様、すごく悲しいよね。


『薔薇を贈れば許してもらえるなんて、もちろん、そんな簡単なことだと思ってるわけじゃないんです。でも、何か…何かしたくて』


今にも泣き崩れてしまいそうな男性に、少し戸惑ってしまう。


『り、理由はわかりませんし、奥様が許して下さるかどうかもわかりませんが…精一杯の気持ちを込めて花束を作らせて頂きますから。だから、元気出して下さい』


気の利いた励ましの言葉も見つからず、それしか言えなかった。
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