再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~
『なあ、愛莉。俺、あれ食べたい』


そう言って、フランクフルトを指さす瑞。


なんか無邪気でちょっと可愛い。


それに、その細くて長い指が、やっぱりとっても綺麗だ。


頭のてっぺんから、足のつま先まで、きっとダメなところがないんだろうな。


でも、性格も含めて、瑞の全てを知ることが出来るのは…


これから先に「彼女」になる人だけなんだよね。


そう思ったら、ちょっと…気持ちがザワついた。


フランクフルトを食べた瑞は、


『次、スライダー。あっちに行こう』


そう言って、私の背中に手を置いた。


この前と同じだ。


瑞の手の温度が、冷たい背中に伝わってくる。


幼なじみだって思っても、直接肌に触れる感触には、どう我慢してもドキドキしちゃって。


本当に…


こんなにも大きく揺れ動く気持ちをどう抑えればいいのか、答えなんてわからなかった。


そして、あっという間に、プールでの楽しい時間は終わってしまった。
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