離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
私は銀座の『高屋』本店へと先に電車で通勤。
最初に締め切られたブラインドのパネルを操作し、副社長室に朝の陽光を入れた。

そして、いつものように朝のルーティンを淡々とこなしていく。

いつもなら、キチンとセットされている前髪が落ちて来ることはないのに、今朝はセットが甘かったせいか額に垂れて来た。

私は前髪を慌てて掻き上げる。

給湯室のコーヒーサーバーから香るコーヒーの芳しい匂い。
でも、私の頭の中は必死に副社長と過ごした夜を思い出していた。
ワインの酔いが邪魔をして全く思い出せないけど。
私は確かに副社長とHをしてしまった。

彼の秘書に就いて、早二年の月日が流れていた。
その間・・・彼とは副社長と秘書の関係。それ以上それ未満でもなかった。

でも、私は長年可愛がっていた愛犬のボブを失い、ずっと落ち込んでいた。

そんな私を見兼ねて、副社長は気晴らしに『ヘブンズホテル・ベイ東京』の最上階のフレンチディナーに誘ってくれた。

彼の厚意に甘え、私はフレンチのフルコースを美味しく頂き、そしてディナーの料理にピッタリなワインを飲み過ぎてしまった。


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