離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
コーヒーの準備を終え、彼のプレジデントデスクに今朝の経済新聞と昨日作成した会議の資料を並べ、彼の到着を待った。

「おはよう…遊佐」

何食わぬ表情で高屋副社長が入室して来た。

「おはようございます・・・副社長」

私は彼の姿を見て一礼して、慌てて給湯室に急ぎ、サーバーのコーヒーをカップに注いだ。


副社長はリクライニングチェアに腰を下ろし、経済新聞を広げていた。

「副社長…コーヒーです…」

「ありがとう…遊佐」

副社長に「昨日の夜の件は忘れて下さい」と言うとしたが、彼の方が一切、そのコトについては言葉を発しなかった。


ココロの中で安堵し、私も昨日の件に関しては無言を貫くコトにした。

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