予想を超えた政略結婚
着替えなくて正解だった。
連れて行かれたお店は
ホテルの最上階にあるステーキハウス。
「今日はお疲れ様!
君が居てくれて本当に助かったよ」
「お役に立てれて良かったです」
「マジであの時会わなかったら
今頃どうなってるんだろ?
代役探しに走り回ってたか
もう他の事を考えてたか
それ思うとゾッとするよ」
「と言う事はあたしは
幸運の女神?」
「女神?それは•••」
那覇空港でクソ迷惑かけられた女に
女神だなんて笑っちゃうよね。
「女神なんてバカ言うんじゃないよってね!
分かってまーす
続き言わないで下さい」
「フフフ面白い
君みたいな性格って飽きないね」
「どう言う意味ですかね?
どう取れば良いんですかね?」
「褒めてるつもりだけど?」
「よくわかりません」
「そんなことよりお礼はさせてもらうよ
何でも言って!要望には応えるつもりだから
まずは乾杯ね」
用意されていた食前酒で乾杯をした。
「素敵ですね!
宮古島って良いところですね
自然に囲まれてて
心まで豊かになりますね」
「大袈裟!
そんなことより早く食べろ」
ご褒美のお肉はとても柔らかく
そして付け合わせの野菜たちも
美味しくてお酒が進んだ。
「貴方と結婚する人って幸せですね
いつもこんな良いもの食べて」
「そこ???」
「そこ大事ですよ あはは
あたしは色気より食い気なんで」
「君の相手は良い物食わしてくれないの?」
「どうでしょう?」
「どうでしょう?って他人事のように」
「あはは」
たくさん笑ってたくさん食べて
楽しいひとときは
あっという間に過ぎてしまう。
会計を済ませた専務さんが
私の元へと戻ってきた。
お店を出る時
段差がないのに躓いた私の腕を
「大丈夫?」と支えてくれ
その拍子に私は腕の中へ
ふんわりほのかに良い香りに包まれた。
ーーーもっとこの人と
一緒に居たいーーー
一瞬そう思った。
「すみません
気分良かったんで
ちょっと飲みすぎました」
「泊まる宿はどこ?
タクシーで送るよ」
と身体を離された。