予想を超えた政略結婚


タクシーの後部座席に2人で座った
ホテルに着いたらもうこの人とは終わり
2度と会うこともないだろう。


そんなことを考えていると
寂しく切なくなった。


この人に恋をしたのかもしれない
人生初の一目惚れ
一目惚れって「そんな一瞬で?」
とか思ってたけど有り!だね
大有りだ!


「時間が止まれば良いのに」
独り言の様に呟いたのに
相手には聞こえていた様だ。


「よく言うよ
これから結婚するんだろ?
ここで止まってどうする?」


「結婚ねぇ•••
貴方の結婚とあたしの結婚は
全く違うので」


「どう言う事?」


「結婚って貴方たちみたいに
愛し合ってする人ばかりじゃない
ってことですよ」


「はあ?」


「はあ?ってなるよね
それが現実なんだから
好きでも無い相手と結婚するって
そんなもんでしょ?」


「え?」


「今時そんな話あり?って
思ってるでしょ?
あるんですよぉ〜これが!!!」


酔いも混ざって話し続ける私。


「付き合ってた男には浮気されるし
有る事無い事浮気相手に言いふらされるし
それが原因で会社には居ずらい状況になって」


「最悪な奴らだな」


「でしょでしょ」


「そんな男だと見抜けなかった君もどう?」


「それなんですよね」


「でもさ
それで今回の結婚との繋がりは?
マッチングアプリとかで知り合ったとか?
振られてヤケになって結婚紹介の会社に
飛び込んでとんとん拍子に話が進んだとか?
それで今更後悔してるとか?」


「そんなんだったら自分の意見は
ちゃんと言いますよ」


「じゃあなに?」


「実家は借金があって」


「え?と言うことは?
借金と引き換えに結婚するってこと?」


「そうですね」


「マジか•••」


「あっ!!!可哀想な女だと
思わないでくださいね!
タイミングだと思ってるんで
あたしにとっても会社を辞める好都合
そして家の家族もみんな幸せになれる
だから•••
それに祖父が小さい頃から
あたしに言ってた決められてる道は
この道だと思ってるので
これが正解だと思ってるので」


「そうなんだ
相手の人は全部知ってるわけ?
家のことも会社のことも」


「そうですね
知っての上の結婚なんで」


「それを承知で受け入れるって事は
今時なかなかできないことだよ?」


「そうですかね?」
と言うが相手のことは私から話さない。


最低な人だから!
離婚が決まってる偽装の夫婦になる
そんな話はもっともっと自分が
惨めになるかはここでは言えなかった。


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