予想を超えた政略結婚


店のシャッターは閉まっていて
調理スペースで
次の日の仕込みをする人もなく
シーンとしていた。


久々帰ってきた実家の異変を
少し感じながらも
バイトに行っている蓮を除いて
家族で食卓を囲んで話は色々と弾む。


そんな中私の一言が両親の笑顔を
消してしまった。


「お店大丈夫?」


チン•••。

「このご時世だから仕方ないよな
まだ続けていられるだけ
ありがたいと思ってるよ」


このコロナ禍で閉店したお店は
たくさんあったので実感している。


常連だった私たちの憩いの場のお店も
店じまいをした。


緩和されたとはいえ
なかなか落ち込んだお店の立て直しは
難しいらしい。


「あたしにできることがあったら
何でも言ってよ
少しくらいなら力になれるかもしれないし」


「ありがとうな」


いつもなら「まだお前の世話にはならん!」
と強気の父がありがとなと言うのも
なんだか気になるところだった。


食事を終え部屋へと帰った。


その部屋とは私が
お嫁に行かなかった場合を想定して
部屋を一つ作ってくれてる
失礼か?と当初は思ったが
その可能性もありそうなこの頃
ありがたい。


そこへ凛がやってきた。


「あのね ここ最近
父さんと母さんの様子が変なんだ
夜リビングでコソコソ話してて
あたしとか蓮が通りかかると
黙り込んだりしてて」


「やっぱり?
なんか今日変だなぁって感じてた」


「聞こえてきたのが
わしの代で終わりにするのもとか
これなら改装するんじゃなかったとか」


そこでお店の経営が本当に
どん底に陥ってるのだと感じた。


「2人に話聞いてみるわ」


凛も蓮も来年は大学受験
2人が大学となればまたかなりの出費
凛は諦めようかなと呟いた。


「あたしがなんとかする!
あたしだけ好き勝手にやって
大学も普通に行かせてもらって
凛や蓮にはやりたい事とかあるのに
それを我慢させて働かせるなんて
あたしにはできない」


「お姉ちゃん•••男前!!!
そんな強気なところお父さんそっくり!」


「えーーいやだぁー
父さんに似てるなんてぇ」


最後は笑いに変わっていた。







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