黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
「さっきだって、俺と美緒ちゃんが話しているだけで嫉妬して俺から引き離したり、美緒ちゃんの傷を心配して唇をなぞったり。めちゃくちゃ距離が近いのわかってる?」
「そんなこと……」


 ない、と言いかけて考える。
 
 たしかに佐原が藍川に口説かれているのを見てイライラして抱き寄せた。
 
 佐原の顔にできた傷が痛々しくて思わず触れたりもした。

「だけど、俺だけじゃなくお前だって佐原の顔に触ってただろ」

 俺が言い訳すると、藍川はくすりと笑ってこちらを見る。

「まぁ、俺も距離が近いけど。俺はお前とは違って、自分に好意を持ってくれてる子に、期待させるような言動はしないから」
「期待って、どういう意味だ」
「お前、美緒ちゃんが自分に惚れてるってわかってるだろ」

 その言葉に思わず押し黙る。

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