黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
「さっきの、美緒ちゃんの反応の違い見た? 俺があごをすくい上げても平然としていたのに、伊尾が顔を近づけた途端、真っ赤になって目をうるうるさせて。美緒ちゃんって本当にわかりやすいよね」
「あいつはただ、麻薬取締官への憧れと、俺への好意を混同しているだけだろ。そんなの一時の気の迷いで、すぐに目がさめる」

 俺がそう言うと、藍川は大きくため息をついた。

「美緒ちゃんが取締官になってから二年間。毎日毎日ずーっと『伊尾さんが大好きです』って表情で見つめ続けられてるのに、まだそんなこと言ってんのかよ」

 痛いところをつかれ、俺は無言で視線を落とす。

「伊尾だって、美緒ちゃんを特別に想ってるんだろ?」
「特別に手かがかかる後輩だとは思ってるよ」

 藍川は「お前なぁ」とうんざりした顔でこちらを見る。

「そうやって余裕ぶっていたら、ほかの男にかっさらわれて後悔するぞ」

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