黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~

「お前がそんなかっこうで同窓会に行こうとしてたのかと思うと、なんかむかつく」
「むかつくって……」

 やっぱり似合ってないんだろうか。
 
 まぁ、色気も女らしさもない私が、こんなかわいい服を着たって、違和感しかないですよね。
 
 いつもとは違う服装の私を、伊尾さんが『かわいいな』ってほめてくれるかも……。
 
 なんてちょっと期待していたのに。
 
 
 自意識過剰な自分が恥ずかしくなる。
 
 がっくりと肩を落とすと、伊尾さんが「そうだ」とこちらを見た。

「これ、つけておけ」

 言いながら、胸ポケットからなにかを取り出す。

「なんですか?」

 伊尾さんの手元を見るとネックレスがあった。

 もしかして、私にプレゼントしてくれるの?

 ぶわっと頬が熱くなり、感激で言葉が出なくなる。

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