ビビディ バビディ ブー! 幸せになーれ!〜この愛があなたに届きますように~
「あの…ごめんなさい…勝手に座っりして…。
えっと…そう!そうなの!
随分とがっしりした椅子だったからこんなふうに回してみても壊れないかなぁなんて思って確認してたの!うん、大丈夫みたい!いい椅子よこれ!仕事がはかどりそうないい椅子だわ」

あぁ、何言ってるの私…。
テンパりすぎ…。この人の前だとさっきから妙に心拍数が上がって平常心でいられない…。

やっぱりイケメンとの至近距離は目の毒だ。
ざわつく胸をぎゅっと押え呼吸を整える私の背後で

「ぶっ、ははっ!」

と迫田さんが吹き出した。

「あぁ、ありがとう。
おかげさまで仕事がはかどるいい椅子だ。
座り心地が良すぎてたまに睡魔に襲われるんだがうん、そうだな、いいなそれ。
今度から俺も眠気覚ましにやってみるか。
楽しそうだな、くっくっ」

迫田さんの言葉に、大きな彼がスーツ姿でネクタイをはためかせながらくるくる回る姿が頭に浮かび、私も堪らず吹き出した。

「ぷっあははっやだぁ。想像しちゃった」

「失礼な奴だな。想像して吹き出すなよ。なんなら想像じゃなく今見せてやろうか?」

「あははっいいです!いいです!
イケメンな迫田さんのそんな姿見たくないですから!
あーっ…でも意外と可愛くて好感度上がっちゃうかも!ぶっ!ううん、やっぱり変な人です!絶対やらないでくださいね」

「あー、わかったわかった。やめとくよ。
笑ったらますます腹減ったな。飯、食おう。
こっちの応接間でいいか?」

迫田さんの言葉に振り向くと、両手にたくさんぶら下げた手提げ袋をテーブルに置き、中からたくさんのサンドイッチやデザートをならべだした。
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